第13章 天女の御加護
「うーん。やっぱり……嫌われているのかな?」
文机に頬杖をつきながら考えてしまうのは家康さんの事。
数日前に家康さんの御殿に行った事を思い返していた。
視線も合わせてくれないなんて私のことを嫌いなんだよね?
でも、何で嫌われているのか___
考えても全然わかんない。
「はぁ~……」
出るのはため息ばかり。
「どうかしましたか?様」
「三成くん……」
「ため息をつかれては、可愛いらしいお顔が台無しになってしまいますよ」
癒し効果抜群の笑みに顔が一気に火照ってきちゃうけど
(可愛いらしいお顔という言葉はスルーします)
「うん……ちょっと……ね」
「悩み事ですか?私でよければお話を伺いますよ」
三成くんなら私より家康さんの事を知っているよね。
ちょっと聞いてみようかな?
「実は……家康さんの事なんだけど」
「家康様……ですか?」
私は三成くんに家康さんが目を合わせて喋ってくれない事を説明した。
私が喋っている間、三成くんは相槌をうちながら私をじっと見つめて話を聞いてくれている。
話終えると三成くんはにっこりと笑い
「家康様は、決して様の事をお嫌いじゃありませんよ」
「でも……」
「あの方はとても内気な方ですから。きっと様と目線を合わせるのが恥ずかしいんですよ」
「そうかな?」
「はい、そうですよ」
……嫌われてない、のかな?