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舞い降りた天女【イケメン戦国】

第12章 目を見て喋ってください


「お帰りなさいませ、家康様」

「俺の部屋にお茶とお茶菓子を持ってきて」

「はい、かしこまりました」

「こっちに来て」

「はい……」



会話らしい会話をせずに家康さんの後をついて、部屋へと案内をされた。


「凄い……本が沢山ある……」


所狭しと本が積み上げられているけど、雑然とはしていない。


「此処って家康さんのお部屋?」

「……適当に座って」

「あ……はい」
(お願いだから会話のキャッチボールをしてください)


家康さんはため息をつくと奥の部屋に入って行ってしまった。



……私はどうしたらいいんでしょうか?


やる事もなくぼんやりとしながらお茶を飲むのも飽きてきた。


奥に入ったきり出てこない家康さんも気になるし。

覗きに行こうかな?

家康さんがこもって何をしているのか気になるしね。

立ち上がって奥の部屋に行こうとすると、文机の上にスズランの花が目に入った。



「スズランって可愛いよね」


手に取ろうとすると手首をギュッと掴まれて阻まれてしまった。


「家康さん……?」


いつもは不機嫌そうな顔をしているのに今はもの凄く怒っている。

そんなに大事な花なのかな?


「あんた……馬鹿?」

「え……?」

「素手でこの花を触ろうとして馬鹿でしょう」

「ごめんなさい……そんなに大事な花だとは知らなくて」

「……そうじゃない」



違うの?


「この花には毒があるから」

「い……っ?!」



毒……?!
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