第11章 煙管
「相変わらず仲睦まじいな」
「光秀さん……」
「なんだ?に用事か?」
「いや……暇だから覗きに来ただけだ」
暇って……
光秀さんの言い方に苦笑いしてしまう。
「流石は天女だな……」
「ちょっ……!」
顎くいっはやめて……!
それに顔!
顔が近いから……!
「何人の男を手玉にとったんだ……?」
「て、手玉にとるって……そんな……っ」
「純情そうに見えるのは見た目だけか……」
「こら!光秀、いい加減にしろ!!」
背中で私を庇うように立ってくれる秀吉さん。
「くくっ……そんなにむきになって怒る事でもあるまい」
「光秀……!」
「」
「な、なんですか?」
秀吉さんの肩越しから少しだけ顔をだして光秀さんを見ると艶っぽい笑みを浮かべながら
「次は俺を攻略してみるか?……もちろん……」
「っ……!」
「閨で……な」
唇の縁を触れるか触れないか__微妙なタッチでなぞられて背中から腰に甘い電流がはしって足に力がはいらなくなってしまう。
「用事がないなら出て行け」
「まあ、攻略する相手はまだ他にもいるだろうけどな」
意味深な発言を残して光秀さんは部屋を出ていったけど……
攻略って乙女ゲームじゃないんだから。
でも
光秀さんの言っている意味が何となくわかる。
1ヶ月近く此処にいるけど殆ど会話らしい会話をした事のない人はいる。
家康さんだ。