第9章 美しい人との出会い
彼らは品のないニヤニヤとした笑みを浮かべ私に近づいてきた。
私だってバカじゃない。
この人たちが良い人か、そうじゃない人かそれくらい瞬時に見分けはつく。
絶対に良い人じゃない。
「こんな所でべっぴんさんが1人とは……」
「どこに行くんだい?」
「っ……」
逃げたいのに足が竦んで動けない。
男たちは私が逃げれないように周りを囲むようにして立っている。
「俺たち暇なんだよ」
「おねえちゃん、遊んでくんないかい?」
「そうそう、大人の遊びをしようぜ」
「気持ち良くしてやるよ」
ゲラゲラと品のない笑いが余計に私の足を動かせないようにしてくる。
「おらっ!こっちに来いよ!」
「やだっ!離してよ!!」
手首を掴まれて体が男に引き寄せられそうになって、力いっぱいに抵抗をしてみるけど
「大人しくしろ!!」
「っ……!」
男の怒声に体が硬直してしまう。
やだっ
怖い
「くんくん……若い女はいいねぇ~。いい匂いがするぜ」
「やめて……!」
土臭いような、汗臭いような何ともいえない匂いが近づいてきた男から臭ってくる。
気持ち悪い……!
「離してよ……!」
掴まれた手首が痛くて、この男たちが怖くて涙がポロポロと溢れだして止まらない。
「おいおい、泣くのは早いぞ」
「今からたっぷりと俺らが啼かせてやるからよぉ~」
「さっさと連れて行こうぜ」
「俺さっきから疼きっぱなしだしよ」
「やだっ!!やめて!!」
「仲良くしようぜ~」
「やだっ!触らないでよっ!」
肩を引き寄せられて男に抱きしめられてしまう。
やだっ!!やだ……っ!!
気持ち悪い!!
「退屈させねぇからよ」
「では……俺の相手でもしてもらおうか?ちょうど退屈していたからな」
「っ……!」
私の目の前にキラリと光る刃。その刃は私を抱きしめている男の喉元につきつけられていた。
「女、怪我をしたくなくば動くな」
誰……?
好戦的な笑みを浮かべている男の人
こんな状況なのに私ったら見惚れてしまっていた。
左右の瞳の色が違う美しい人___