第9章 美しい人との出会い
どうしたらいいんだろう?
辺りを見回すと、鬱蒼と生い茂っている竹林。その遥か先に安土城が見えている。
なんで私は此処にいるの?
秀吉さんとはぐれてしまい自力で安土城を目指して歩いていたのに気付けば城下町から離れてしまっていた。
何度も道を変えて安土城を目指していたのに、安土城に近づくどころかどんどんと離れてしまってるじゃない。
歩きすぎて足は痛いし、お腹は減ってくるし……夕焼けだって広がってきている。
どうしよう?
どうしたらいいの?
気持ちだけが焦ってしまい涙がでそうになる。
誰もいない__
この時代に来て初めて1人ぼっち。
お城にいる時は政宗や三成くんがいてくれた。
政宗は毎日のように部屋に来ては平成の話を聞きたがって、三成くんは私にこの時代の事を色々と教えてくれてたっけ。
「会いたいよ……」
頭に浮かんでくるのは政宗と三成くんの笑顔。
泣いている場合じゃないよね。
「前に進もう……!」
きっとこの竹林を抜けていけば近道のはず!
……だよね?
目尻にたまった涙を拭い歩きだそうとすると
「おい!そこのねーちゃん。こんな所で何をしてんだ?」
「?!」
助かった?!
後ろから声をかけられて振り向くと___
……明らかに人相の悪い男の人たちが立っていた。