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テニスの王子様

第3章 王子様の初出陣・恋人同士の甘い一時


手塚「…本当にここでいいのか?」

『えぇ。反対方向なのに…わざわざありがとう。』


  あれから2人は、暫くゆっくりとした後、そのまま真っ直ぐ帰ることになり、今は雅の家の近くまで来ている。
本来、2人の家の方角は別方向なのだが、手塚が「一人では心配だから…」と近くまで送ってくれているのだ。


手塚「いや…このくらいどうということは無い。…気を付けてな。」

『ん、それじゃあ、また明日。』

手塚「…あぁ…」


 別れの言葉を交すが、雅は、何かを考え繋いだ手をなかなか離さない手塚を不思議に思う。


『?? …国光…どうかしたの…?』

手塚「…いや… …雅…」

『ん? なーに?』

手塚「…その…もう、身体は大丈夫なのか…?」


 手塚は、この前もまた倒れてしまった雅のことを心配し、繋いだ手を引き寄せ優しく抱き締めた。
―まるでそれは、今にも壊れてしまいそうなものを優しく繫ぎ止めるかの様に…―。


『! …だ、大丈夫よ(弱々しい微笑み』
 
手塚「…無理しなくていい…俺の前で我慢しないでくれ…」


 最初は驚いた雅だが、手塚の優しさに次第に安心し、ゆっくりと手塚の背に手を回し応える。


『…あ…ありがとぉ… でも…もう本当に大丈夫よ(ニコ』


 手塚もまた、雅の強ばっていた身体の力が抜け落ち着いたことを確認し、安心して少し笑顔を浮かべる。


手塚「! …そうか(微笑 …あまり一人で抱え込むなよ。」

『(驚 …クスッ …それは貴方の方じゃないの(苦笑』

手「?? …」

『…貴方は…いつも何でも自分一人で決めてしまうもの(悲しそうな顔』

手「…そんなつもりは無いんだがな。」

『ふふっ ねぇ、あまり一人で抱え込みすぎないでね? ……見ているだけしか出来ないのは…結構辛いのよ?』

手「!!…あぁ。」


 そして今度は、強く、けれどどこか優しく互いを抱き締め合う二人。


 やがて二人は、名残惜しいさはあるが離れ、別れた。










 ―この時の二人には…いや、誰にもこの後の二人の運命を知る者など居なかった。









(→次ページはおまけのストーリー)
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