第3章 王子様の初出陣・恋人同士の甘い一時
〔おまけ〕
リョーマ「あ、お帰り、姉貴。」
『うん、ただい…ま?…リョーマ?(驚』
帰ってきて早々、リョーマを見るなり驚く雅。それもそのはず。リョーマがケガをしていたのだ。
リョーマ「…何で疑問系なのさ。」
『ん…ねぇ…この怪我どうしたの?リョーマ…』
そっと優しく怪我に触れつつふわりとリョーマの頬を撫でる雅。
リョーマ「…はぁ…メール。見てないの?」
リョーマは、雅が自分の質問に答える気が無いとわかると、呆れつつも怪我の経緯を話し出した。
『…メール…??』
頭にハテナを浮かべつつ、メールを見るために携帯を開く。
―しかし…
『あ…電源、切ったままだった。』
リョーマ「∑……はあ…。電源入れてメール見て。」
『うん…ん、見れた。…ホントだメール来てる… 試合…Def…? ………もしかして……野試合したの?』
リョーマ「∑!? う、うん。(何でわかったんだろう…?)」
普段は天然で鈍いくせに、何故こういうことにだけ鋭いのか、と疑問に思うリョーマだが、それはこの姉に聞いても仕方の無いことだとわかっているので早々に諦める。
『…そう… まだ痛む…?(悲しそうな顔』
リョーマ「もう痛くない。」
『…そっか…ん、良かった…(微笑』
そう言って雅はリョーマを優しく抱き締め、頭を撫でる。
―まだリョーマが小さかった頃、何かある度によく、こうして抱き締め頭を撫でてくれた。その事が懐かしくて、嬉しくて、リョーマの頬は自然と緩む。
リョーマ「ふっ 姉貴は相変わらずの心配性だね…」
『…心配よ。大切な弟だもの…。リョーマ…あんまり無茶しないで…?』
リョーマ「……。はぁ…うん、わかったよ。」
雅の、【大切な弟だから…】という言葉に、少し悲しみを覚えたが、適当に返事を返し立ち上がるリョーマ。
『?? …リョーマ?』
急に立ち上がったリョーマを不思議に思う雅。
リョーマ「…ほら…そろそろ行こう。母さん達も姉貴のこと待ってる。」
『ん、…行こっか。ニコ(微笑』
そして二人は家族が待つ部屋へと向かった。
第3章終わり