第3章 王子様の初出陣・恋人同士の甘い一時
待ち合わせ場所である公園の噴水の前に雅が着いたのは、集合時間の15分ほど前だったのだか、そこには既に、待ち合わせをしていた人物がいた。
『…あら、やっぱり早いわねぇ。…クスッ… 国光!』
そこにいる彼こそ、雅の今日の約束の相手であり恋人でもある、青春学園中等部テニス部部長・手塚国光だ。
手塚「雅。」
『ふふ ごめんなさい。お待たせしちゃったわね。』
手塚「気にするな。俺も先程来たところだ。…それに、ご家族が帰ってきて色々準備とかあったのだろう?」
『クスッ …ありがとう。今日も折角の休日なのに付き合ってくれて…』
手塚「大丈夫だ。それに部のものだからな。…そろそろ行くか。」
『えぇ、そうね。行きましょう?』
そう言って歩き出す二人。今日は部の買い出しをする為に一緒に出掛けるのだ。付き合っている二人には、一応デートということになる。(本人同士は多分気付いてないが。)これも全て、付き合っていてもあまり恋人らしく無い二人の為に、竜崎先生が仕組んだことだ。
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『買う物はこのくらいかしら?』
手塚「あぁ、リストに載っているのはこれで最後だ。」
『…結構な量になったわねぇ。』
手塚「そうだな。…雅、この後時間はあるか?」
『??…あるけど…どうかしたの?』
手塚「いや…折角の休日だからな…もう少しお前と一緒にいたいと思ってな。」
『!!…クスッ ありがとう国光。…嬉しい…!』
手塚「ふっ…そうか。…何処か行きたい所はあるか?」
頭を撫でながら優しい目をして聞く手塚。こんな彼は、きっと雅の前でないと見られるものじゃないだろう。
『…そうねぇ…何処か…… あ、行きたい喫茶店があるのだけど…どうかしら?』
手塚「喫茶店か…たまには良いかもしれないな。…行くか。」
『えぇ。ありがとう、国光。』
そしてまた、歩き出した二人。手塚も雅も天然な為、こんな会話が成り立つのだ。