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テニスの王子様

第2章 王子様、お姫様と再開する。



――部活終了後

『それじゃあ、私はそろそろ失礼するわね。』

 部活が終わり、レギュラー陣が談笑している中、雅は急いでいるのか少し早口でそう告げた。

手塚「そのままで行くのか?」

『えぇ、少し時間ギリギリだから。』

大石「ははっ 気を付けてね。」

不二「クスッ 雅、急いでて転ばない様にね?」

『∑!? もう! 私、そんなにせっかちじゃ無いわ。』

不二「ふふっ 気を付けて。」

手塚「お前の弟に逢えるのを楽しみにしている。」

『ふふ …えぇ。…それじゃあ、もう行くわね?』

手塚「あぁ。」

不二・菊丸「「「また明日ね。/雅〜 まった明日にゃ〜!!」」」

 少し急ぎ気味に空港へ向かうバスに乗り込む。
ふと、空港に向かうバスの中で思い出したのは、まだ自分がテニスをしていた時のこと。もう、6年も前のことだ。

『…もう6年か… 早いわねぇ…時が経つのは。 …ふぅ、お父さんもお母さんも…リョーマも…元気かしら…?』

 リョーマには、自分が日本に来ることを何一つ告げずに日本へと来た雅。

―それどころか、自分が何故テニスから離れたのか、きちんと説明すらしていない―。

ずっと【あの時】のことが怖く、誰にも何も言えずにいた。―恋人である手塚にさえ、全てを話せずにいたのだ―。


『…ごめんね…』


それは何も言わずに日本に来てしまったことに対する【弟】への謝罪なのか… それとも、総てを任せ押し付けてしまった大切な幼馴染み兼親友であった【彼女】に対するものか… はたまた、ずっと側に居てくれるのに未だに何も言えずにいる大切な【恋人】に対するものなのか… ……誰に対する謝罪なのかは自分でもわからなかった。

そんなことを考えているうちに、気が付けばもう空港に着いていた。


『……』


 空港に着いてからも頭の中を占めるのは、【彼ら】に対して何も話せなかった罪悪感ばかり…


ギュゥッ


『…いつまでも、こんな事じゃ駄目ね… よしっ…!!』

久しぶりの再開に不安は多々あったが、雅は空港へと足を進めた。
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