第2章 【R15】男の勲章
翔くんは楽譜を片付けた後、またリビングのソファーに戻って行った。
あぐらをかいて、腕組みして、作りかけの歌詞とにらめっこしている。
「あんまり煮詰まらないでね」
「あぁ、大丈夫。春歌としゃべってると適度に気が抜けるからさ」
褒められてるのか、けなされてるのか。
とにかく、さっきみたいに邪魔だけはしないように、できるだけ音を立てずに片付けを再開した。
一時間後。
「よっしゃ!でーきた!」
翔くんはゴキゲンに言って、バタンとソファーに倒れた。
手には出来たばかりの歌詞。
「おつかれさま!じゃあ歌ってみて!」
「え?あー……レコーディングまでのお楽しみっつーことで!」
なぜか勿体ぶって、歌詞をテーブルに伏せる。
「なぁ、それよりさっ」