第2章 【R15】男の勲章
「ったく、お前ってほんとにドジだなぁ」
「ごごごごめんなさいっ」
やっとできたオフ。
久しぶりに部屋の片付けをしていたら、山積みにした楽譜が雪崩を起こして襲いかかってきた。
とっさに頭をかばったら、それよりも先に翔くんがわたしの上に覆いかぶさってくれたらしい。
床にはたくさんの楽譜が舞い散っていた。
「それにしても、短期間でよくこんだけ書けるよな」
一枚一枚、一緒に拾ってくれる翔くんは、心底感心したように言った。
「俺なんて締め切りギリギリまで歌詞を考えてるってのに」
「それは、翔くんがそれだけ真剣に考えてるからでしょ?」
「ん……まぁ、そうだけどよぉ……」
事実、今まさに歌詞の締切間近で、今日はそのためのオフを特別にもらったらしい。