第2章 【R15】男の勲章
いつもファンの人達にも“可愛い”って言われている翔くんは、きっと本人的には不本意なのだろうけど、事務所の方針をすんなり受け入れて“可愛いキャラ”で売っている。
でも近頃は少しずつオトナな面も垣間見せて、ドラマや映画でもシリアスな役が付くようにもなっている。
「なぁ、春歌……あの曲さ……」
「翔くんのソロの新曲のこと?」
「そう。あれって……俺がもらっちゃっていいのか?」
少し不安そうな、だけど、嬉しそうな声。
「だって……翔くんのために書いた曲だよ?」
「……そ、そうか。いや、なんつーか……あんな曲調珍しいからさ、なんか照れるよな」
元気だけじゃない、どっしりとした印象の、あの曲。
「レコーディング楽しみにしてるね」
「おう、任せとけ」
少しオトナになった彼が綴るメロディーは、どんな風に奏でられるのだろう。