第2章 『死ぬかと思った・・・』
『あー・・・・・・・・・・・・びみょ』
シオンがそう答えれば、ドランバルトとラハールは「あー・・・」と言いたげな表情を浮かべた。
『・・・え、なにまたしつこく言われたの?』
「若干、な。
評議院としても、お前には是非と思っているんだが・・・」
『あはは・・・まあ、考えとくよ。
んじゃ、なんかあったら連絡よろー』
また歩き始めるシオン。
森の中を進んでいく姿を見送り、ドランバルトは溜め息をついた。
「・・・ったく、ありゃまた不参加だな。
去年も同じ会話した気がするぜ」
「強制はしていないからな・・・まあシオンらしいと言えばらしいが。
・・・それにしても、こうしてシオンにクエストを持って来るのも今年で4年か・・・」
「そう言やそうだな・・・。
・・・速いもんだな」
「出会った当初は、よく腹を空かせて倒れていたのを覚えているよ」
「この前は宿屋・・・その前は路地裏でぶっ倒れてたからな、アイツ。
その度に俺らが拾ってるよな」
「ふふ・・・、今では空腹がピークになる前に食べているようだけどね」
「・・・あんなのが、魔導士ギルドで有名な〝魂喰(こんじき)〟だなんて・・・な」
シオンの姿が完全に見えなくなる。
先程ラハールが仕舞った依頼書には、どれも〝魂喰〟が指名されていた。