第2章 『死ぬかと思った・・・』
それは五日前に会っていた2人。
黒髪短髪で顎に少しヒゲを生やしているドランバルト。同じく黒髪で少し髪を結っていてメガネをかけているラハール。
近づいてきた青年─シオンに気づくとドランバルトは軽く手を挙げた。
「よ。
時間オーバーは、相変わらずだな。シオン」
『どっかのヒーローは遅れて来るとかどっかの誰かが言ってたような気がする、だから大丈夫だよ。うん』
「何が大丈夫なのか理解し兼ねるんだが・・・。今日は・・・一緒ではないのか?」
『影ん中』
「ああ・・・就寝中か。
私達もたまにはゆっくりと休暇を取りたいものだな、ドランバルト」
「ま、確かにな・・・。
でもあの白黒熊が忙しくするなんて予想つかねえけどな」
『失敬だなー・・・別にぐーたらさせてる訳じゃないよ。ちゃんとやる事やってくれてるし。
・・・っと。これ、依頼されてたやつの戦利品』
はい。とフードマントから手を出してドランバルトに何かを手渡した。
それは何かのスタンプで、ラハールがそのスタンプのマークとカバンの中から取り出した数枚の用紙を交互に確認する。