第2章 『死ぬかと思った・・・』
『え、戻って来たの?』
どこまでも広がる青空を横目に、灰色頭で袖長のフードマントを着た青年が自分の影に目を落としていた。
《んー。
そーらしーよ。詳しくは知らないけど、スズメ達が また騒がしくなる ってさ》
ひょこりと青年の影から白黒模様のクマのようなネコのような顔半分が出てくる。
『ふーん・・・・・・。
・・・ちょうど今日の分で目標クリアだし、夕方にでも行ってみよっか』
《えー・・・遠いよ?》
『まあ、パパッと寄ってさっさと向かえば大丈夫でしょ。
着いたら起こそっか?』
《起きれたら、ね。
・・・ふあ・・・、眠いから寝るー》
『はいはい、おやすみ』
自分の影からひょこりと頭だけを出していた相棒が話が終わると影の中に潜ったのを見てから、また歩き始める。
今日は晴天。
雨雲も見えないし取り敢えず雨宿りの心配は無用だろう。
・・・いー天気だなあ、なんか空が喜んでるみたい。まあ空に感情あるのか知らんけど。
山とか森の天気は変わりやすいとか言うけど、まあ降らないよね。多分。
ぼんやりと空を見上げながらてくてくとひたすら歩いていると、森が見えてくる。
その森の入口に、見覚えのある顔の人物を見つけて青年は近づいた。