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゚Scramble × Chronicle。

第5章 『(コイツ・・・大型犬か何かか・・・?)』


『へー、やっぱ出るんだ?
大魔闘演武』

「ああ・・・お前ももう知っていると思うが、今年は妖精の尻尾も出るらしいからな」

『え、なにそれ初耳』






ガタガタと揺れる馬車の中、シオンとローグ、フロッシュは大魔闘演武について話し合っていた。

ちなみに馬車に乗る前に酔い止めの魔法ルテアを使っている為にローグがグロッキーになる心配は無用だ。






「色んなギルドで噂になってるのー。
主要メンバーがみんな戻って来たから、出るんだってー」

『へえー、出るんだ。あの人達・・・』

「その口振りだと・・・会いに行ったのか?」

『ん。
挨拶ついでにちょっと手合わせもね』

「手合わせ・・・?」

『ドラグニルくんと、ね』

「ドラグニル・・・ナツ・ドラグニルか。
天狼島と言う島に行ったきり消息を絶っていた主要メンバーの1人のはずだろう」

『ん。
あれは割といい線いくと思うよ。七年前の実力があれなら、大魔闘演武で面白いのが見れるかも。
まあ、7年のブランクを埋められてればのハナシだけどねー』

「ブランクー?」

『そ、ブランクー』

「・・・ちなみに聞くが、本気で手合わせをしたのか?」

『まっさかー。
出してたら今頃評議院に呼び出し食らってるよ。
・・・でも、そっか。
出るんだ妖精の尻尾』





ふーん・・・と頬杖を突いてどこか楽しそうな表情を浮かべるシオン。

ローグはふとシオンと初めて会った日の表情と重なって見えた。





「・・・人生何があるか解らないから面白い、・・・」

『ん?』

「あ、それシオンが言ってたセリフー」

『あー、確かに言ったっけ。
セイバーのギルドから出てく時のやつか』

「・・・言葉の通りだと思ってな・・・。
お前と一緒に居る時間は、心地いい」

「フローもそーもう」

『へへ、そっか。
私も好きだよ、キミらと居るの』





にへ、と微笑むシオン。

たまにはこう言う穏やかな時間も悪くない、と正直に思えるローグだった。


馬車はもうすぐセイバーのギルドに着こうとしていた。
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