第4章 「あれって魚ってレベルですか!?」
蒼。
数瞬前は青かった空も、周りの木々の森の緑も。
地面の茶色い土も、空に浮かんでいた白い雲も。
目に見える景色全てが深い蒼一色に染まった。
コポ・・・・・・
「青くなった!?」
「え・・・。
なに、これ・・・!?」
「これは・・・海にすごく似てます。
ジュビア、なんだか心地いいです・・・」
「幻覚か・・・?
いや、それにしちゃ感覚が冷てえ」
「・・・具現化ですね。
それもかなり高度な・・・」
「っ・・・・・・な、っんだこれ・・・!!?」
「ナツ、?」
ハッピーの一言で、先程殴りかかった状態のままのナツにその場に居たギャラリーが不審に思った。
ぴくりとも、動かない。
動こうと声を上げるものの、一向にナツは身動き一つ取れないのだ。
「くっそぉ・・・!
全ッ然動けねえ!」
『まあ、ドラグニルくんだけ動き止めてるんだけどね。
・・・シーサーペント』
ぶく・・・・・・
ぶくぶく、ぶくぶくぶくっ!!
「・・・あれは・・・」
「わぁぁ、魚・・・!」
「あれって魚ってレベルですか!?」
シオンが何かを呟くと、水面・・・正しくは上空から何かがこちらへ向かってくる。
藍色の髪の少女ウェンディがハッピーのコメントにつっこむ。
それは全身が黒一色の長い何かだった。