第3章 『あらやだ、無意識に感謝』
広がる青空の下。
ギルドの中だと確実に危ないとの事でシオンとナツは外に出た。
かと言ってマグノリアの街中でのバトルも危ない。
と、言う訳で2人はギルドの裏の森にやって来ていた。距離を置いてギャラリーにはロメオと天狼島へ行ったメンバーが居る。
ちなみにカナの賭けは赤髪の女性エルザに止められた。
「お前、なんで滅竜魔導士について知りたいんだ?」
『そうだなあ・・・普通の魔導士と、違うからさ。
実在していた竜から教わった、竜自らを滅する魔法・・・何を想ってそれを自分達よりも非力な人間に教えたのか。それほどまでの竜の想いの強さと、それを君達滅竜魔導士が受け継いだ理由が知りたいんだ』
「???」
『・・・まあ、要するに強い魔法だから戦ってみたいって事だよ』
「そっか!」
ツラツラと述べられる解るようで解らない内容に首をかしげるナツ。
シオンがとても解りやすく言い直すとナツのやる気が増した。
そんな2人のやり取りを「大丈夫かアレ・・・」とギャラリーは見ていた。
『マカロフさーん、審判お願いできますー?』
「うむ、では始めるかの。
シオン。お前さんの実力がどれ程のもんか知らんが、ナツは壊し過ぎんようになー」
「おっしゃあ!!
いくぞ、シオン!!!」
『ん、いつでもどっからでもどーぞー』
やる気満々のナツと、ぐぐ・・・と背伸びをするシオン。
ギャラリーの妖精の尻尾のメンバーの先頭。長い金髪の少女メイビスはただじっとシオンを見ていた。