第3章 『あらやだ、無意識に感謝』
ロメオに聞かれ、父親のマカオが「おうよ」と答えた。
ナツとグレイが叫んだのを皮切りに、事の成り行きを見ていた他のメンバーもわやわやと集まり始めた。
「確か・・・シオンが1年前くらいに、妖精の尻尾のギルドの真ん前でぶっ倒れたんだよ」
「お前よく生き倒れになるなー」
『ふ、まあね』
「いやまあある意味凄いけど照れるところか・・・?」
「金はあるみてーだったからメシ食わせてよ。そん時にちょうどオウガのヤツらが取り立てに来やがったんだ。
けど、シオンがその月の金払ってくれた上に借金の連帯保証人になってくれてよォ」
「凄かったよね、シオ姉。
バナボスタを吹っ飛ばしたり、あんまり馬鹿げた利子がついてたらオウガのギルドに殴り込み行ったりしてさ」
『まあ、終わったけどね。
また嫌がらせしてくるんならぶっ潰すって言っといたし』
「む・・・?
と言う事は、お前さん・・・」
『ここ来る前にオウガん所寄って、全額返済終わり』
その一言を聞いた妖精の尻尾一同が驚きのあまり叫ぶまで、あと5秒。