第3章 『あらやだ、無意識に感謝』
ナツからはパチパチと何やら燃えてる気配が、黒髪の青年からはパキパキと何やら凍ってる気配が。
そんな一部始終をシオンの影の中から眺めていたノーレがふと思い出して、ポツリとシオンに向けて呟いた。
《・・・シオンー、もしかしなくてもこの2人がアレじゃないの?》
『・・・うん。
あのさ、君らってこの間戻って来たって言う妖精の尻尾の主要メンバーだよね?』
「「ア?」」
「シオ姉っ!!」
タタタタ・・・っ
はぐっ!
『あ。ロメオくん』
「久しぶり、今来たのっ!?」
『ん、本当はも少しゆっくり来ようかと思ったけど・・・ノーレから主要メンバー戻って来たって聞いてさ』
ギルドへ帰って来た黒髪のショートヘアの少年ロメオが座っていたシオンを見つけて真っ直ぐに走り、その勢いのままシオンに抱き着いた。
普通ならば抱き着かれた勢いで椅子ごと倒れるのだが、シオンは至って普通に抱き着いてきたロメオの頭をのんびりと撫でた。
「ロメオ、お前シオンと知り合いなのか?」
「うん!
シオ姉はオレ達妖精の尻尾が黄昏の鬼に借りたお金の、連帯保証人なんだ。な、父ちゃん」
「「連帯保証人!!??」」
思いもしなかった単語に、ナツと黒髪の青年グレイは揃って驚いた。