第3章 『あらやだ、無意識に感謝』
「で、誰だお前??」
『通りすがりの生き倒れ』
「そっか、生き倒れか!
お前も大変だなー」
『お腹空きすぎちゃってさー。
いやー助かったよ。ごちそーさま』
「おう!」
「おう、じゃねえだろ」
食事も終わって、ある意味ツッコミどころ満載な会話が始まる。
思う存分食べ終えたフードをかぶる相手─シオンが満足そうにカウンター席からテーブル席に座る。その隣の席にマフラーを着けた桜色の髪の青年がドカッと座って、イマイチ成り立っていないような会話をする。
するとそこに何故か半裸の黒髪の青年がやって来る。
「おい変態、服忘れてんぞ」
「うおっ、いつの間に・・・!」
「俺、ナツ・ドラグニルって言うんだ。
お前は?」
黒髪の青年がいつの間にか脱いでいた服を拾って着直している間に、桜色の髪の青年ナツがフードをかぶる相手─シオンに名前を聞く。
気を取り直して、黒髪の青年がシオンの向かいの席に座る。
『シオン。シオン・クードルーネ』
「そっか、シオンだな。
そっちの変態に近づくと変態が移るから気をつけろな!」
『マジでか』
「ンな訳ねーだろ・・・!
喧嘩売ってるつもりなら買うぞクソ炎」