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太刀の女の子シリーズ

第3章 燭台切の説教



「君は確かに刀だけど今は人間の女の子の身体をしてるんだ。そんな警戒心なしでいたら男の人に襲われるかもしれないんだよ」
「勝てます」
「そういうことじゃない!」
「だいたいここには審神者と刀剣男士のみんなしかいませんし」
「……僕たちだって男なんだ」

「え、性欲あるんですか?」

さっきまで余裕そうだった佳乃の顔が崩れる。審神者が審神者になってすぐの初期メンバーである佳乃は昔から一緒にいるメンバーを思い出す。とても性欲云々ありそうに見えない。そしてそれは目の前で説教する燭台切にもいえることだ。

「まさか刀なのに性欲があるだなんて」
「やめて、しみじみ言われると悲しくなる」
「でも短刀たちはその外見に精神年齢もつられてますし大丈夫かと」
「あのね佳乃ちゃん、短刀たちも男の子だよ?」

短刀たちは幼さを武器にして佳乃に甘えまくっているのをよく見かける。普段見る分にはまったく問題がないのだがツッコミがいないせいで思わぬ方向にいくことが多い。
男の中に囲まれて生活している彼女に配慮してなるべく男と過ごすことに嫌気が差さないようそちらの方を上手く隠していたがそれは裏目に出てしまった。


「例えば薬研、彼も短刀だけど彼とはお風呂には入ったことないだろう」
「………」
「入ったの!?えっ!!いつ!!!!」
「他の子たちと入っていたら気づいたらいました」

「なんてこった!」


初期でまだ保護者枠の燭台切や石切丸がいなかった頃、短刀たちとはほぼ毎日一緒にお風呂に入っていた。そしてその中に薬研もたまに紛れていたのだ。
「よお、失礼するぜ」
あまりにも自然過ぎて佳乃もどうぞとしか言えなかった。まあ彼も一応短刀だしいいかなあ、とツッコミ不在の惨劇である。


「まあその後すぐに岩融くんが来たので薬研さんとは入ることなくなったんですが」
「当たり前だよ」
「でもまあ私の裸を好んで見る人なんていないですよ」

佳乃のその言葉に燭台切はビクンと身体を震わせた。そんな彼を佳乃は不思議そうに見つめる。

「え?その反応はまさか私の裸に興奮する人がいるんですか?」
「…僕から言えることはひとつ」
「……」

「襲われたくなかったらもっと君は警戒心を持つべきだ」


君は君自身が思っている以上に魅力的な女性なんだよ。
 
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