第8章 目には目を
「鶴丸はなんどしかってもはんせいしないとあるじさまもおこっていました。よってあたらしいばつをあたえようと、こうしてぼくと岩融がきたんです」
「げ、主もグルかよ」
「今剣よ、罰なら島流しでどうだ?他所の本丸からでは、流石の鶴丸も佳乃に手出しなどできまいよ」
「予想に反して岩融が恋敵をここぞとばかりに潰そうとしてきたぜ!これは驚きだ!もちろん悪い意味の方での!」
「だめです。なぜなら鶴丸はレアというものらしいですから」と今剣が冷静に首を振って、岩融も最初から無理だとわかっていたのか冗談だ!と豪快に笑う。俺には岩融の冗談が冗談に聞こえなかったが、まあそこは俺のためにも置いておこう。
「うーん、こう、ぐっとせいしんにくるものがいいですね」
「君は外見に似合わず案外えぐい事を考えるな…」
「あ、きめました!」
若干引いた顔の俺など見向きもせず何かいい案が思いついたのか、今剣は素晴らしい笑顔で窓の外を指さした。
今剣の小さな指の先では同田貫と山伏国広の二人が大量の汗を流しながら手合わせをしている。その姿は遠くから見るだけでもむさ苦しさを感じさせた。
「佳乃をせくはらとやらでくるしめるのならば、鶴丸もまたおなじおこないをされればそのつみのおもさをおもいしるでしょう」
「おお、流石の今剣!良い案を考えたな」
意味がよくわからない俺の前で、今剣のいう意味がわかったらしい岩融が同意して笑う。その笑顔に嫌な予感がする俺の感は間違っていないはずだ。
そしていったい何が決まったのか状況を読み込めない俺に、今剣はとびっきりの笑顔で処刑を言い渡す。
「佳乃が鶴丸にされたことをこんどは鶴丸がうけるのです!ちょうどよいところに山伏と同田貫がいてたすかりました!」
え、ちょ、それは…。