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太刀の女の子シリーズ

第2章 はじめまして



そんな逸話が残る謎多き太刀を鍛刀してしまった審神者は今だそれの付喪神を呼び出せずにいた。見たことない新しい刀だ、とウキウキしながら見慣れない太刀を片手に政府へ連絡したら目玉が飛び出るんじゃないかと思うくらい驚かれたのだ。
なんともこの刀、他の審神者も鍛刀したことがないという未知の刀であったのだ。しかもこの刀の逸話から実在しないであろう刀だと政府からも思われていた代物である。
そんな刀を審神者の中でも新人の中の新人である審神者が鍛刀してしまったということで周りはそれはもう大騒ぎ。審神者も勿論焦っていたがそれよりも政府の方が審神者よりも慌てていた。

「よっしゃ、呼び出すから加州はそこにいてくれよな!どんな奴が出てきても逃げんなよ!審神者置いて逃げたりすんなよ!」
「わかったから早くやりなよ主」
「うっ、だって初めての鍛刀でこんな大物作れるとは思わなかったから緊張がァ!」

まあ為せば成る!!!

「うおおおお佳乃さんこんな審神者ですがどうか力を貸してくださいいい」

そうしていると付喪神が現れる独特な気配がし、気づくと審神者の目の前には目麗しい少女が立っていた。


「私は佳乃、私を手にとったのはこの長い時間で貴方が二人目です。私は最期の最後まで貴方の刀として使われましょう」
「あっ、主、もしかして佳乃って」
「おおお落ち着け加州、お前たちは刀剣男士だろ?ほら、あの、佳乃は女装が趣味な刀なだけかもしれん!」

「失礼な、この胸は本物でございますよ主」


本丸中に叫び声が響いたのは言うまでもない。


無事付喪神を呼び出せたことを政府に連絡する審神者の顔は刀剣男士に女の子がいたことに驚き半分と、嬉しさ半分のなんとも奇妙な表情をしていた。「あの、佳乃を無事呼び出せたのですが」「なにか問題ごとが?」「刀剣男士じゃなくて刀剣女士だったんです」「………ファ!?」混乱していた政府がよけいに混乱してしまったがそんなのは審神者も同じである。

「あっ、その爪可愛らしいですね加州くん」
「でしょでしょ?あんたにもやってあげよっか」
「ならば敵が恐れ戦くような装飾にしてくれると嬉しいです」
「あんたいったい爪に何求めてんの」

刀剣同士は早速仲良くなれたようで安心である。じゃれて遊ぶ二人に癒されながら審神者はそっとため息をついた。
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