第7章 君を愛す僕を見ないで

「君が好きだよ」


そう言ってしまったらきっと僕らの関係は変わってしまう。だって彼女を愛しているからこそわかるんだ、彼女は僕のことを男としても見ていない。その中で唯一救いがあるのは彼女は誰のことも意識していないということ。でも万が一それが崩れてしまったとき、はたして僕はどうなってしまうのだろう。

…きっと、壊れてしまうな。

目の前で苦笑する僕に彼女が不思議そうに首を傾げる。「なんでもないよ」もとの表情に戻って頭の中から彼女の好きそうな話題を探す。君はこんな汚い感情を知らなくていいんだ。




どうか傷つかないで。

どうか愛を知らないで。

僕の許容範囲外のことが起きてしまったら、きっと僕は君のことを閉じ込めてしまうから。