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青い果実【NARUTO】

第17章 中忍試験二次試験〜死の森〜



激しい戦慄が走る。


思いもよらぬ攻撃。

防ぎきれぬ猛襲。

体は引き裂かれ、血飛沫が飛び散る。

有り得ないほどの連撃に、三人は抗う術も持たなかった。


恐い。
ただ恐かった。

死とは、こういうことなのか。


それは終幕を指し示す。

三人の額には深々とクナイがめり込んでいた。




……はずだった。


「「「!!?」」」

三人は強烈な殺気を叩きつけられただけだった。

幻術などではない。

無論、実質的な肉体的攻撃も受けていない。

ただの殺気に畏怖を受けただけ、
それだけのことなのだ。


しかしそれだけのことでも、リアルに感じる己の敗北。

壮絶なプレッシャーにサスケは嘔吐し、リエは意識を混濁させた。
サクラも呆けて戦意喪失どころの騒ぎではない。

「……リエ……サクラ……」

やっとのことで出した声も、ままならない。

サスケの声でリエも辛うじて意識を持ち直したものの、体中が震え口元は噛み合わない。

サクラは一切の動きが固まり錯乱したままだ。

((ダメだ!ここは逃げるしか……そうしなければ死しかない!!))

自らも含め、三人とも戦えるほどの精神状態ではない。

そう判断したサスケは、未だ震えの止まらぬ手にクナイを握り締めた。

((ほんの少しでいい……動け!))

「クク…もう、動けまい…」

女は三人の命を奪うべく、額目掛けてクナイを放った。

先程の脳裏に焼きつく己の姿がちらつく。

三本のクナイは吸い込まれるよう、的へと向かっている。

((動け…動いてくれ……!))

「……動けぇっ!!!」

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