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青い果実【NARUTO】

第17章 中忍試験二次試験〜死の森〜



サスケはリエとサクラを抱え、辛くも敵から逃れることが出来た。

本能から興る限りない恐怖を押し殺したのだ。


だが、それも犠牲の上。

「…ぐっ……」

「…サスケ…?」

手にしたクナイは、彼の右足を深く刺していた。

サスケは痛みで強制的に我を取り戻したのだ。

「サスケ!!」

リエが慌てて止血を試みる。


息を荒げるサスケを見て、悔し涙が出た。

また何も出来ずにお荷物なった自分が、許せなかった。

「あいつはヤバイ…どう、逃げればいい……」

強烈な殺意を当てられ、サスケは思うよりも取り乱していた。

周囲に気を配っても、焦りからか全く状況は掴めてはいないだろう。


「…!サスケ、蛇…!!」

「!?」

大蛇が木の幹を這いずり、サスケに牙を剥いて襲いかかってきた。

サスケの脳裏に先ほどの女の姿が過ぎる。

途端、背筋に冷たいものが走った。

「うわあぁぁっ!来るなぁ!!!」

サスケは数十枚にも及ぶ手裏剣を放った。

どう見積もっても、そんなに凶器はいらないはずだ。

リエはサスケの精神を蝕む動揺を明らかに感じ取っていた。


大蛇は当然、即死だった。

だらりとその身を生い茂る大木の枝に預け、ピクリとも動かない。

しかし動かぬはずの蛇の背が、めりめりとひび割れていく。

「お前達は一瞬たりとも気を抜いちゃダメでしょ…獲物は常に気を張って逃げ惑うもの……」

耳につく、嫌な声。

三人の表情が一気に切迫したものになった。

「捕食者の、前ではね…」

蛇の死骸の中から、女は現れた。

その目は狂喜に色めいている。


再び心臓を鷲掴みにされたような金縛りが三人を襲う。

鼓動は高鳴り、額に汗が滲んだ。

それなのに背はぞくぞくと凍えるようだ。


女は言葉と共に大蛇から抜け出すと、またも不気味な体質変化で下半身を蛇のようにうねらせた。

そして木を這い、彼らに迫る。

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