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青い果実【NARUTO】

第33章 明日へ



「カカシ先生…」

「や、おはよ」

リエがカカシに気付くのと同時に愛読書のイチャパラを閉じ、カカシはにっこりと笑った。

「来て、くださったんですか」

「もちろん。大切な教え子の、旅立ちの日だからね」


カカシにもいつ旅立つとは言っていないが、彼が今ここにいることに疑問は感じなかった。

きっと、あれからも影から見守ってくれていたのだろうと、思う。


「待っているよ。リエがとびきりの笑顔で、この里に帰ってくるのを」

「先生…」

「困ったことがあったら、どんな方法でもいいから先生に知らせてね。すぐ飛んで行っちゃうから」

そんな冗談を言いつつ頭を撫でてくれる大きなカカシの手が、温かくて気持ちがいい。



カカシも

シカマルも

勝手な理由で出て行く自分に、以前と変わらず優しくしてくれる。



『よいか、リエ。おぬしは独りではない。木ノ葉の里に住む者、皆が家族じゃ』


今になって、父を亡くしたときにかけてくれた三代目火影の言葉が頭を過った。


うちは家というもうひとつの家族も失くして

それからずっと傍にいてくれたサスケまでもがいなくなって

激しい孤独の中にいたけれど


この里には仲間がいる。

自分を思ってくれる人達がいる。

それはとても幸せなことだと、思えた。



「…ありがとうございます、カカシ先生。行ってきます」

「うん。行ってらっしゃい」


カカシと、そして里に向けて深々とお辞儀をし、リエは門をくぐり里の外に出た。

一度足を止め、でも振り返ることはせず、また歩き出す。





木ノ葉マークがついた額宛てと、サスケから預かった片方のピアス。

これが、これからの自分の支えだ。


どこへ行くともわからない。

何が出来るのかもまだわからない。

そこに何があるかも、これからどんな人に出会うのかも。

でもそのことに、不安や恐怖はない。



弱い自分を変える旅をしよう。

そして、笑顔で帰ってこよう。

大好きな皆が待っていてくれる、木ノ葉の里へ。



がんばれ、と風が囁く。


見上げた空は、眩しく輝いていた。






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