第13章 砂の若い衆、木の葉の若い衆、はぐれ若い衆、時々長老
カンクロウはイタチと藻裾を見比べつつ、記憶を辿って慎重に話す。
「叔父貴が死んだ後も一年は砂にいたじゃん、あの人。それが急に磯に戻るってんだからそらどうしたって事になるよな。里長の弟の仕事の手助けすんだってンで出た話なんだが、これ聞いてチヨバア様・・・うちの隠居が怒っちまって、えらい揉めたんだよ。磯の話はまずしねえ叔母さんが磯を話題にしたってのも驚いたし、チヨバア様が怒り出したのにも驚いたから何だかよく覚えてる」
「・・・砂の隠居が怒ったァ?何のこった。関係ねえだろ?」
「知らねえよ。けど長老連てな厳密には磯の組化にねえんだろ?先代が死んだ後に出来た連立の形で磯に与する組織だって・・・」
「はあ!?長老連が磯の組化にない?ちょっと待て。嘘だろ?そんな馬鹿な・・・」
藻裾は唖然として両の手を垂らした。そんな藻裾にカンクロウは戸惑いを覚えた表情を浮かべる。
「何だ?どういう事だ?知らなかったのか、アンタ」
「おかしいだろ?何でそんな、言ったら部外の立場のモンが里の財源を握ってなきゃねえ?」
「俺に聞くなじゃん。まあそんな胡乱なモンと手を組むってんで、チヨバア様は怒ったんだろうと思・・・・でっ、だだだだッ、バカッ、俺に噛みついたって何もなんねえじゃん!止めろッ、この化け!」
「あ、ああ!な・・・何だかよくわかりませんが暴力はいけません!」
リーが藻裾とカンクロウに割って入った。
「話せばわかります。暴力は何の解決にもなりませ・・・いたッ、ちょっと何ですか、自己紹介もしていない仲でいきなり叩いて来るなんて、無礼にも程があ・・・・キャッ、か、かかか噛み付かないで下さい!こ、怖いですよ、何ですかこの人!シ、シカマルくんを呼びますよ!コラッ」
「バンビ丸なんか知るか!邪魔すんな、団栗!」
「ネジ!また悪口言われてますよ!怒んないんですか!?ついでに助けて下さい!」
「いや、さっきから一人で勘違いしているようだが団栗呼ばわりされてるのは明らかにお前だし、俺に怒る筋合いはない。て事は助けるついでも生じないな・・・」
「ついでじゃなくて助けて下さい!テ、テンテン!」
「暫くはジャンプ禁止だぞ。わかったか?こら、リー!」