第24章 追うか探すか
「大蛇丸に呑まれた?」
「あの体で骨を穿つ傷を負い、更に自分を呑んだ大蛇丸を連れて失せましたよ、あのバカは。私にはわかりようもないが、失せるというのはそれなりに身を削る行為らしい。あの状態では生きていると考えるのは難しいでしょうね」
その通りだ。生きていると考えるのは難しい。
しかし牡蠣殻を追う意思は揺るがなかった。
あの人を終わらせるのは私ですよ。私以外の誰でもない。
これは畢竟、定まった事。誰にも邪魔はさせない。あの人自身にさえ。
「これから砂へ向かうというのなら、簡単に確認がとれますよ。無駄足が嫌だというのなら木の葉へ戻るといい。どのみち同じことが知れるでしょう」
素っ気なく言い捨てて、鬼鮫は話を打ち切った。これ以上話す事はない。
傍らに牡蠣殻はいない。アレはまた逃げた。だから追う。
秋も終わりなのに生温い風が吹いた。泡に包まれたように肌が粟立つ。
鬼鮫は外套の裾を靡かせて大股で歩み出した。