第11章 藻裾、降臨 ーin厠ー
「デミだな」
「いや、ガリトマだ、うん」
「デミだ」
「ガリトマ」
「デミ!」
「ガリトマ!」
「デェミッ!!」
「ガァリトォマッ!!」
「デミだっつってんだ、このチンチクリン、何がガリトマだ。ニンニクとトマトとポロッポロの生挽き肉でも召し上がりやがれ、ダラッダラ!」
「ガリトマバカにすんな?テメエ、オイラの寝冷え風デミグラスソースお見舞いすっぞ、あぁ?モッソモソ!」
「うわ、何言ってンだ、ちょっとデイダラママー!バカ息子がデラ下品な事抜かしてますよォ!?実家に連れ帰ってボッコボコにしちゃってえェ!!!何なら手伝うよ!喜んで手伝っちゃう!ママヘルプユウゥゥウ!!!」
「やかましい!オイラの家族に手ェ出すんじゃねえぞ、モスバーガー!とっとと狩りに行け、肉食って帰れ!デミもガリトマもなしだ!砂かけて食え!そんでテメエも腹下しやがれ!!!ザマみろ、ああ!?うん!!!」
「うんうんうんうんうるせンだよ!そんなうんうん言ってっからうん付きすぎて腹下すんだ、ザマみろバーカ!」
「便所で下ネタは止めろおおぉぁお!!!!」
大声でペインが割って入った。
「あ?なんだ、このブッツブツ?」
「あン?うちのブッチブチのリーダーに何失礼抜かしやがる!ブッツブツだと?ブッチブチだ、バカ!」
「黙れ!ブッツブツもブッチブチも止めろ!せめてポッツポツにしろ!ちょっと可愛い!お前ら便所で何をやってるんだ!ここは用のある者がいるところだ!用のない者は出ていけ!」
ペインが足をもじもじさせながら一喝する。
デイダラと藻裾はそんなペインをまじまじと見詰めた。
「要は用があるってこったな。しかも急ぎの」
「ああ、そっか。早く言えよリーダー。漏れちゃうぞ、うん?」
「バカ、そういう言い方は失礼だって。で?デカイの?チイサイの?」
「うわ、最低だな。デリカシーゼロだテメエ」
「頭オカシーオメエに言われたかねェですねえ」
「オイラの頭はおかしかねえぞ!うん!?」
「じゃ何だそのチンチクリンな髷はァ!?お洒落か?お洒落のつもりなのか?筆問屋の名物看板みてェな頭して、十分オカシーんだよ、チョンチョコリンが!」
「出てけーーー!!!!!!」
涙目の ペインから大喝が出て、デイダラと藻裾はピュンと厠を飛び出した。