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連れ立って歩く 其のニ 砂編 ー干柿鬼鮫ー

第11章 藻裾、降臨 ーin厠ー


「あ~、腹いてェ・・・。寝冷えした。ぜってェ寝冷えだ、コレ。うん」

明け方まで布団にも入らずうたた寝してしまったせいか、グルグルと猫の喉のように鳴り続ける腹を押さえて、デイダラはこの日五度目の厠へ向かった。

「よ、腹下し。また便所かよ?今日はテメエの貸し切りだなァ?」

「やかましい。ウロウロしてねェでどっかで死んでろゾンビパンダ。伝染すぞコラ」

途中すれ違った飛段に殺意のこもった目を向けるも、今一つ力が入らない。

「チクショウ。もォイヤだ。もォやってらんねェ。オイラこんな便所通いする為に生まれて来たんじゃねえぞ。断固違うぞ。あー、クソ、何この無力感。腹に呼んでもねェバハムートが召還されちゃって帰すに帰せないみたいな・・・。もうこんな腹爆破しちゃいたい・・・ぅわッ!?」

ブツブツ言いながら厠のドアノブに手をかけたデイダラは、予期せず押し返されて尻餅をつきかけた。

「うお、あっぶ、あっぶねえッ!!!誰だバカヤロウ!!出るときゃちゃんとノックしろ、アホが!あれ?ノックは入るときだっけか!?兎に角!出るモンが引っ込んじまったろ、そこはありがとう!うん!」

「はん?どういたしまして?ハハ、何言っちゃってんの?このツビは」

「あ?ああぁ!!!テメエ、チビザル!?」

愕然としながら後退ったデイダラの目の前で、藻裾がヨと手を上げてにんまり笑った。

「テメエ、な、何で厠なんかに・・・や、何で暁にいんの?オイラもしかして腹痛で頭やられちゃった?マジ!?凄えな寝冷え!」

「バカかっつの。頭に回る腹痛があるか。笑わせんな。こっちが腹痛ンなるわ」

「おいおいマジでか?オメエマジあのチビザル?」

「チビザルじゃねェ。お客様のお越しですヨ?お茶淹れろい、お茶」

藻裾はデイダラの方に身を乗り出して首を傾げた。

「いや待て。その前に腹減ったな・・・肉、あります?肉。出来れば牛」

「・・・・相変わらずだな、うん」

「相変わらずで悪かったかよ?二週間かそこらで激変してたらびっくりだろうが。飯。肉。牛」

「うるせえな。外で何か狩って食って出直して来い。ここは飯屋じゃねえぞ、うん?」

「暁・ラ・タベルナ?リストランテ暁?暁飯店?」

「テメエはドラえもんと四角いハンバーグでも焼いてろ。ソースのお替りは一回までだぞ?お母さん恥ずかしいからな、うん」

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