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連れ立って歩く 其のニ 砂編 ー干柿鬼鮫ー

第24章 追うか探すか


別れたとき牡蠣殻と二人だった鬼鮫は、再び会ったときには独りになっていた。

いや、傍らにデイダラはいた。デイダラはいたが、独りだった。

「・・・あン?何だ、そりゃ。オイラはモノの数に入らねえって事か?うん?イタチ、アンタホント案外言いたい放題だな、うん」

目を吊り上げてブツブツ言ったデイダラは、いつもの勢いもなくフイと黙り込む。

「牡蠣殻はどうした?死んだのか?」

角都が何の斟酌もない問いを投げても鬼鮫は答えない。興味もなさそうに前を見て歩くのみ。

何があったのかは聞いた。
しかし鬼鮫が何を思っているかはまだ聞いていない。

「イタチさん」

不意に三人の前を歩いていた大きな体が立ち止まった。

「一人で行ってもいいですかね」

振り向いた顔はいつもの皮肉げな異相。口許に笑みすらある。

「・・・鬼鮫」

「うるさくてかなわない。煩わしいのはもう沢山です。別行動させて貰います」

歩き出した鬼鮫を三人は黙って見送った。

「・・・・牡蠣殻は死んだのか?」

再び尋ねる角都へデイダラがしかめ面を向ける。

「知らねえよ」

「鬼鮫はどうするんだ?」

今度はイタチを見て、角都が問う。
イタチは鬼鮫の後ろ姿を見送りながら、わからないと答えた。

「どうにかなるかどうかもわかんねんだぞ?死んじまってたら何にも出来ねえ」

深水の事を思いながらデイダラが渋い顔をする。杏可也の白い笑顔が深水ではない誰かに寄り添うと考えると、また胸の内がザラついた。

「大蛇丸があの血を殺すだろうか」

イタチの呟きに角都が薄笑いする。

「殺すにしてもまだ先だろう。大蛇丸がその気になったときに牡蠣殻が生きているかどうかの方が差し迫った問題だな」

「そうだな・・・」

イタチは頷いて早視界から消えかかる鬼鮫の後ろ姿を眺めた。

・・・ここまでか、鬼鮫。





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