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連れ立って歩く 其のニ 砂編 ー干柿鬼鮫ー

第23章 大ハード


「オメエは岩のモンだからそんな簡単に言うんだろ!?物知らず言うな、このモノモライの眼帯野郎がッ!」

「眼帯じゃねえ!スコープだッ!テメエにかかると何もかも台無しだな、うん?」

木っ端と砂塵の中に目を凝らしながら言い合っていた二人は、現れた人影にポカンと口を開けた。

「・・・・オカマ?」

藻裾の洩らした呟きに、当の人影とデイダラがガクッと膝を折りかける。

「バカ、黙ってろ、テメエは!何でもかんでも思った通り口にすんじゃねえぞ、うん!?ちっとは頭と気を使え!あと空気読め!オイラにこんな事言われて恥ずかしくねえのか、うん?」

「・・・いくら打たれ強いたって、自分で自分を叩くこたねんじゃねえの。泣けてくるわ。全アタシが不憫さに泣くわ」

「また妙なコと連んでるのねえ、デイダラ」

大蛇丸が腕組みしてニヤニヤと二人を眺め渡した。

藻裾は物珍しげに大蛇丸を見返し、デイダラは底意地の悪い顔で笑い返した。

「相変わらず薄気味の悪ィこったな。腰巾着のカブトはどうした?はぐれたのか?うん?」

挑発されてもまるで乗らず、大蛇丸は溜め息を吐いて肩をすくめた。

「鬼鮫の次はアンタなの。縁を切った筈なのに絡むわね、暁」

「オメエに絡んじゃいねえよ。自惚れてんなよ大蛇丸。何しに来た?あ?」

「何しに来たって・・・わかりきった事聞くわね。アンタ、メタモルフォーゼの最中は敵が襲って来ないって信じちゃう派でしょ?アタシはそういうお約束は嫌いなのよ。流れで予定調和の返事なんかしやしないわよ?」

「別に答えて貰おうなんて思っちゃいねえよ、バーカ」

「・・・・ムカつくガキねえ。アタシ、アンタは嫌いなのよね。バカでうるさいから」

「オイラだってオメエなんざ見たくもねえよ。・・・・てか何?アンタ一人で大騒ぎしてたのか?誰も追って来ねえな?プッ、何だ、オイラに構って欲しくて派手に出てきたのか?うん?」

「何言ってんのよ」

大蛇丸は呆れてデイダラから目を反らした。ドアの外れた部屋の中に視線を送り、口をへの字にする。

「タイミングが悪くてね。取り込み中だったみたいよ」

「あん?」

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