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連れ立って歩く 其のニ 砂編 ー干柿鬼鮫ー

第23章 大ハード


藻裾は小さい。デイダラにチビチビ騒いでいるが、そのデイダラより頭ひとつ弱小さい。

いつも口汚く小さな声で賑やかにしているからいつの間にか忘れてしまう。

藻裾は小造な顔で目がデカくてバカみたいに睫毛の濃い、言ってみれば可愛い女だ。

しかしデイダラは初っぱなからそんな藻裾はどうだってよかった。藻裾がどんな容れ物に入っていても何の興味もない。

デイダラは藻裾の頭をゴンと殴り付けた。

「だッ、何すんだテメエ!!!」

「偉そうな口叩く来たわりにゃだらしねえんだな。だっせぇぞ、うん?」

「・・・・・何だとこの・・・・」

「音の連中が遊びに来てっぞ」

「ああ?音?マジでか!何なんだ一体!砂の官舎はどうなってんだ?ザルか?」

「地下にいるって聞いたんだけどな・・・オメエ、何か見なかったか?」

「・・・・・?いや・・・おかしいな。何か来てたら気付かないアタシじゃねぇと思うんだが・・・」

「そうゆう事自分で言うかよ・・・」

「アタシャ言うよ。謙遜なんてなクソってのが潜師の訓戒なんでね。しかし何でだ?ホントにこっちィ来てんのか?」

「アイツらが現れたんなら牡蠣殻狙いだ。連中に行き当たった砂の女がその牡蠣殻のいる地下に向かったってんだから、来てんだろうよ」

言いながらデイダラも首を傾げる。

「・・・・砂の官舎は、砂の上にあんだよな」

ぐるりと辺りを見回して藻裾が何か考え込んでいる。

「まあ言ったら砂地しかねえからな、ここら辺は。デカイ建物造んのも骨だろう。しっかりした土台を造んのから難儀そうだぜ、うん」

「あー・・」

藻裾が唸り、デイダラは手を打った。

「下だ」

互いを指差しあって声を合わせ、二人は走り出した。

「牡蠣殻ァどこにいる?うん?」

「こっちだよ。我愛羅さんが先生を隠居ンとこに運んで、牡蠣殻さんには波平様と鮫のアニさんが付いてる」

「何でテメエは一人でこんなとこにいたんだよ!バカじゃねえの?」

「やかましい。どこにいようがアタシの自由だ。ゴチャゴチャ言うな、チビダラッ」

「チビダラァ?テメエほんっと腹立つな!うん?」

「アハハ。そら良かった。オメエが腹立ててるとこっちの調子が上がるわ!」

「ぶっ殺すぞ、コラ」

「ぶっ殺されねェですよ、花火フェチになんかよ」

「花火じゃねえって言ってんだろ!?」
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