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連れ立って歩く 其のニ 砂編 ー干柿鬼鮫ー

第23章 大ハード


部屋表が騒がしい。

深水と杏可也に会いに行った面子も戻らない。

飯はとうに食い終わった。

目の前ではデイダラがでかい欠伸をかまし、木の葉の男子連中がまたも屈伸や柔軟を始め、残るお団子の女子に呆れ顔をされている。

カンクロウは堪りかねて立ち上がった。

「ちょっと様子を見てくる・・・」

「ならオイラも行くわ。ここでこうしてたって何にもなんねえ。時間の無駄だな、うん」

伸びをしてデイダラが物騒な顔をする。

「ひと暴れ出来ッかと思って出張ってみりゃこれだ。面白くも何とも・・・・」

言いかけたところで食堂の扉が吹き飛んだ。
黒装束の男が二人、ドア材をへし折りながら堂内に転がり込んで来る。

「・・・・おっとぉ・・?」

カンクロウと三班が咄嗟に構えるのを尻目に、デイダラは一瞬見開いた目をにやっと細めた。

「何だ何だ?面白くなってきたな?うん?」

「カンクロウッ」

壊れた扉からテマリが男の攻撃を躱しながら姿を現す。大きな扇子は接近戦には不利だ。そこを上手く突かれてテマリの額には脂汗が滲んでいる。
この曲者は手練れだ。

「侵入者だ!我愛羅はどこだ!?」

「あいつァ深水のおっさんとこじゃん!テマリ、何だこいつら!?」

「音だ、薬師カブトがいる!・・・クソッ、何人か地下に・・・隠居部屋に向かった」

真一文に額に斬りつけてきた脇差しを扇子でガリリと受け、テマリが汗を散らして叫ぶ。

「チヨバア様達のところへ早く、・・・・ッ、うぉらッ、早く行けえェ!!!」

脇差しを押し返し、扇子を敵の脇へ叩き込んだテマリの脇をデイダラが駆け抜けた。

「オイラに任せとけよ。テメエらはここで遊んでな、うん」

行きすぎるデイダラにテマリが目を張る。

「おいお前・・・カンクロウ!!!」

「ああ!?ちょっと待てってん、じゃんッ、ぐらあァァ!!!!」

斬りかかって来た敵を高い蹴りで牽制し、再び懐へ躍り込んで来た刃を敵の手ごと掴んで背負い投げたカンクロウへ、背中を合わせる者がある。

「意外に数が多い。こうも容易く侵入できるなら、頭を悩ませるのではなかったな」

ネジだ。

眉間とこめかみに筋を走らせ、白眼の印を結んでいる。

「廊下に八人、窓表に四人、上に二人だ。リー!」

「はいッ」

リーが迷いなく飛び上がった。
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