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連れ立って歩く 其のニ 砂編 ー干柿鬼鮫ー

第23章 大ハード


「・・・あ?」

朝から砂肝の南蛮が並ぶ食卓で、藻裾が不意に顔を上げた。

隣のデイダラがアン?とそれを見咎める。

「何だ?砂肝が喉にでも詰まったか?うん?勢いよく食いすぎなんだ、テメエは。もっとゆっくりよく噛んで食え?」

「全くじゃん。星のカービィかっての、この化けはよ」

デイダラの向かいでお茶を啜りながら言うカンクロウに、リーが手を叩く。

「カービィ!何かに似てると思ってたんですよ、この食べっぷり!そうそう、カービィです!」

「カービィ?アナコンダじゃなく?」

何気なく言うテンテンに藻裾はにんまり笑った。

「言うねえ、お団子ちゃん。好みだわ。うん、今ロックオンしたから、テンテン」

「・・・・え・・・」

「逃げろ、テンテン」

台詞とは裏腹にまるきり他人事顔のネジをテンテンがキッと睨み付ける。

「何処にどうやってよ!?ちょっと前々から思ってだけどね?アンタ日向以外どうでも良すぎない?少しは日向離れしたらどうよ!?彼女が出来ても日向サイコーとか言ってるつもり?瞬速で振られるよ、ホントに!」

「日向離れ!?養子に出ろと言うのか、この俺に!?」

「ネジ、飛躍してますよ?」

「飛躍!?日向ではなくてか!?養子先か!?俺は飛躍ネジになっちゃうのか!?」

「・・・・おい、大丈夫かコイツ」

律儀に心配顔をしたカンクロウに、藻裾がパッと顔を向けた。
それまで黙っていた我愛羅が藻裾へ目を走らせる。

「・・・来るのか?」

「・・・・・」

藻裾が何か答えようと口を開いた。

バチンッ

食卓の真ん中で何かが爆ぜるような音がした。

「・・・・・かき・・・・え?は?何?・・・・はあ?」

自分の真ん前に降ってきた牡蠣殻に、カンクロウが泡をくって口をパクパクさせた。

水浸しの牡蠣殻が、砂肝やら味噌汁やらにまみれて咳き込みながらしかめっ面で立ち上がる。

「食卓に土足とはとんだ事を。失礼しました」

「牡蠣殻」

我愛羅が不意の闖入者へ、眉一つ動かさず静かに声をかける。

「はい」

殻が一歩退いて礼をとるのに頷いて答え、我愛羅は一瞬間を置いてカンクロウを見て続けた。

「・・・叔母上が心配されている。顔を見せてやってくれ」

「杏可也さんと先生は大事ありませんか?」

「叔母上が室で休んではいるが、二人とも大事はない」
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