第18章 朝から難儀な・・・
我愛羅は興味深そうに藻裾を見やり、その肩にポンと手を置いて立ち上がった。再び腕を組むと全員の顔を見回す。
「妙な顔触れが集まったものだな。まさか遊びに来た訳でもないだろう。話が聞きたい。朝飯が終わったら隠居部屋に来るように。・・・カンクロウ、牡蠣殻は?」
問われてカンクロウは肩をすくめた。
「さあな。後で来るって言ってたが、わかんねえじゃん。何せ男といるからよ」
「・・・無事なのか?」
我愛羅は眉間にシワを寄せて首を傾けた。
「まあアレといりゃ大概の事ァ無事にやり過ごせんじゃねえの?わかんねえけど」
カンクロウが投げ槍に答えるので、我愛羅の眉間のシワが深まった。
「叔母上が気にかけている。一緒にいるのかと思ったが、残念だ・・・。仕方ない。来ると言うのならそれを信じよう。・・・汐田」
スッと藻裾に視線を移し、我愛羅は頷きながら念を押した。
「しっかり朝飯を食べろ?他の者を襲わぬようにな」
「はい」
「うぅわ、聞いたかよ、はいだってよ。どこのどなたのいい返事だよ、プッ。マジ受けるぞ、うん」
「ジャーキーマジック健在じゃん。やっぱジャーキー最強じゃん」
「・・・・キーワードはジャーキーか。さっぱりわからん・・・」
「普通だよ。わからないのが普通。大丈夫。ネジ、珍しく普通だから、今の君」
「・・・珍しく?」
「ジャーキーが魔除けになるって話ですか?ならボクも欲しいですよ、ジャーキー」
「いや、逆に呼び寄せるんじゃねえの?汐田という名の、ものっそい魔物をよ?うん?気をつけろよ、団栗」
「じゃ要りません」
「わはは、いい、いい。正直じゃん、ドング・リー」
「・・・・楽しそうだな、お前たち・・・まさか本当にカンクロウのところへ遊びに来ただけなのか?・・・だとしたら邪魔してすまんな・・・」
心持ち寂しそうに言う我愛羅の姿に、藻裾は兎も角まさかのテンテンまでが、キュンとした顔になった。
「まさかですヨ!アタシは我愛羅さんに会いに来たんスよ!我愛羅さんに較べたら、カンクロウなんか鼻かんだちり紙ですよ!」
「ち・・ちり紙・・・」
「・・・アタシも遊びに行くなら歌舞伎役者より美少年ねえ・・・」
「・・・・オメエら二人はもう帰れ」