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連れ立って歩く 其のニ 砂編 ー干柿鬼鮫ー

第18章 朝から難儀な・・・


「・・・マグロの里の馬肉・・・ガルルルル」

「・・・・・・・ちょっと汐田さんが変な唸り声を出してますよ?あ、何で皆そっちに行っちゃうんです?テンテンまで、いつ起きたでででででッ!痛い痛い!何ですか!?何で噛みつくんですか!?イダダダダダッ!噛みついたまま頭を振らないで下さ・・・イィズダダダダッ!肉!肉が千切れます!止めて!怖い怖い!この人怖い!」

「止めろ汐田。彼は俺の盟友だ。無闇に噛み付くな」

静かだが通りのいい声がして、藻裾がピタと動きを止めた。

「また腹が減っているんだろう。しかし生肉は駄目だ。腹を壊す」

いつ入って来たのか、ドアにもたれて腕を組んでいた我愛羅がスタスタと藻裾に歩み寄って、その傍らに膝をついた。

懐に手を差し入れてジャーキーの袋を取り出す。

「間もなく朝飯だが虫養いに食べろ。朝飯では菜に砂肝の南蛮がつく。あまり腹を膨らませないように」

藻裾は我愛羅から食べかけで口の開いたジャーキーの袋を受け取ると、コクリと頷いてそれを胸に抱き締めた。

「・・・何かがズレている気がするが、ここは胸キュンしなければならないところか?難しい・・・」

「いや、無理にしなくていいと思うよ、ネジ。女の私から見てもズレを感じるもん」

「ぷ。風邪影が毒キノコと愛を囁きに来たぜ、うん?」

「止めろ。俺の弟は毒キノコと愛を囁くような男じゃねえって言ってんじゃん」

「頭アフロじゃないから毒キノコじゃないですよ。あの人はただの猛禽類です。ボクはこんな怖い人初めてです・・・」

涙目で噛み付かれたところを撫で擦りながら、リーは藻裾から距離をとった。

「あーあー、また犠牲者が出たぞ。可哀想にな、団栗。まあ文字通り犬に噛まれたと思って早いとこ慣れろ、うん。あいつは狂犬病持ちのバカチビザルだからな」

「どっかで保護して欲しいじゃん。隔離区域に置いとかなきゃ駄目じゃん。何ならジュラシックパークに放り込んだらいいじゃん。里帰りじゃん。トリケラトプスでも狩ってろっつうの」

「・・・・どんな目に会ったらそんな感慨を抱くに至るんだ。何なんだ、あの女は」

ネジの言葉にデイダラとカンクロウは顔を見合わせた。

「盗みをやらねえ女盗賊?」

「殺しをやらねえ殺し屋?」

「・・・汐田はなかなかの大物だな。評価が面白い」

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