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連れ立って歩く 其のニ 砂編 ー干柿鬼鮫ー

第18章 朝から難儀な・・・


「半分起きて半分寝ている。放っておけば目を開けるから構わない方がいいぞ。下手に構うと本当に串が飛んで来かねないからな。コイツは武器マニアだ。懐に何を呑んでいるかわからない」

ネジが屈伸しながら忠告した。横で頭を掻きながら欠伸したリーも、柔軟を始める。

「寝起きが悪いって訳じゃないけど、寝惚けが凄いんですよ、テンテンは」

「・・・・何だ、アンタらは。起き抜けから張り切ってんな、うん?何かウゼえぞ」

お馴染みの髷を寝癖で針ネズミみたようにピンピン跳ね散らかしたデイダラが、むっつりと呆れたように二人を見やった。

「オメエも見習え。てか先ず頭の針山を何とかしろ。気になってしょうがねえですヨ?ウゼえ」

伸びをして大欠伸を漏らした藻裾が、顔をしかめて突っ込む。

「やかましい。もうちょっとしたら自然に直んだからほっとけ。オイラの髷は寝起きが悪ィんだ、うん」

だらしなく着崩れた作務衣みたような着衣の八ツ口に手を突っ込んでバリバリと体を掻きながら、デイダラも釣られて欠伸した。

「髷の寝起きなんかどうだっていいじゃん。オメエらもシャキッとしやがれ」

律儀に毛布を畳みながらカンクロウが渋い顔をする。

「朝からあんなんして張り切ってたら昼には死んじまうぞ、うん」

「ジャンジャン腹減った。飯」

「あのなあ・・・・。人の里に図々しく上がり込んでんだ、もうちょっと行儀よく出来ねえのかじゃん」

「人の里って、そういや何でジャンジャンはアタシらと一緒にこんなとこに押し込まれてんだ?ここンちのコじゃねえっけ?アンタ」

「コイツ砂の里のモンじゃねんだよ、きっと。ツナの里だ、ツナの里。シーチキンの出だ、ジャンジャンは。ははは、サンドイッチの具だ、ウメエよな、うん」

「ほお。ツナの里・・・初めて聞きます。缶詰が盛んな里なんでしょうね」

「朝飯はサンドイッチか・・・俺は白米派だが堪えよう・・・。ツナの里では仕方ない」

「シーチキンマヨのお握りってのもあるジャン。な、ジャンジャン。アタシも白米派だ。一つよろしく。ホントは肉が食いてえんだけどな。スブタの里にしとかねえ?朝からスブタ、全然OK!」

「団子なんか出したら木っ端微塵だからね!?」

「・・・・・・・・・・・」

カンクロウは頭を抱えてしゃがみ込んだ。
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