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連れ立って歩く 其のニ 砂編 ー干柿鬼鮫ー

第18章 朝から難儀な・・・


砂の朝は冷え込みがキツい。

放射冷却現象が起きやすい立地条件の為、朝は兎に角しんしんと冷える。

「・・・・・・・・・」

六人が雑魚寝する部屋の真ん中で、カンクロウは寝起きと大描きされた顔を露骨に歪め、両の手に毛布のへりを握りしめたまま周りを見回した。

女子の姿が交じっているにも関わらず、部屋の中は猛烈にむさ苦しい。

取り合えず、足の間に挟まって寝ていたリーを蹴り出す。

「ふをッ!?おひゃようごじゃいまふッ」

腰に抱きついて涎を垂らしているデイダラを殴りつける。

「・・・・あぁン?・・・ッコロすゾ、こら・・・くあァァ、くっそ眠ィな、うん?」

傍らに突き出されたネジの足を持ち上げて投げる。

「おぅふッ!か、階段踏み外した!おぉ!フ、フワッてなった!・・・・何だ、ここは?ん?」

「どいつもこいつも間抜け面して寝惚けてんじゃねえじゃん!とっとと起きやがれじゃん!どこにいると思ってんだ、テメエらはブ・・・ッ」

寝起きの不機嫌な気分に背中を押されるまま目を三角にして怒鳴ったカンクロウは、顔面にソバ殼枕の直撃を食らった。

「朝っぱらからジャンジャンうるせえ、このジャンジャンが!だからテメエはジャンジャンなんだよ、ホントによ!たく、しょうもねえジャンジャンだな、あー、眠いッ」

藻裾が目の座った半眼で次の枕を振りかぶる。
カンクロウは咄嗟に手を上げて顔を庇いながら喚いた。

「止めろバカ!投げんならせめて羽枕にしろ、痛ェんだよ、それ!」

「テメエがケツに敷いてるそれンことか?じゃよこせよ。中身詰め替えて全力投球してやらァ。わたるがぴゅん!の土屋並みにクソ重てェ投球見してやるぞ、コラ」

「いや、消える魔球にして下さい」

「どっちにしろ終着点は顔面ストライクだ、バカタレ。食らえジャン!」

「うるさい!!黙れ!!!木っ端微塵にするよ!?」

テンテンがきつく目を閉じたまま、いやにハキハキと怒鳴った。

「アタシを起こしてタダですむと思ってンの!?ぶっ飛ばしてやるからそこに正座しなさい!」

「・・・何コレ、寝惚けてンの?寝言?そいとも起きてる訳?ちょっと怖いよ、お団子ちゃん」

カンクロウと顔を見合わせた藻裾が枕を下ろしてテンテンの様子を伺う。

「誰が団子三兄弟だって!?なめんじゃないわよ、串で刺すよ、串痛いよ!?」




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