• テキストサイズ

(R18) Moulin Rouge (HQ)

第10章 xxx 09.彼氏(仮)



「だから、研磨とはついさっき裏通りで出会ったばかりだし、なにも悪いことはしてないってば」

「嘘だったら承知しねえぞ」

「全部本当だよオッサン」

「オッ……てめ、俺はまだお兄さ」

「黒尾ッサン」

「……このヘル嬢いつかブチ犯す」

 黒尾による事情聴取(ただの圧迫尋問だけど)がはじまって、研磨との仲をあれこれ聞かれる私。その隣で俯いてスマホを弄る研磨。

 タイミング悪く来店してしまった客を光太郎が苦笑いで接客して、山本と夜久さんは何やら書類に書き込んでいる。

 しばらくそんな状態が続いて、30分。
 警官特有の、何度も同じことを聞く聴取に嫌気がさしてきたときだった。

「よーし、そろそろ撤収すんぞー」

 黒尾が号令をかけて、立ちあがる。
 
 やっと解放されるね。マジ疲れた。
 光太郎と視線だけでそんな会話をして、ほぼ同時にため息をついた。

 しかし、ここでまた、ひと悶着。


「やだ……っ帰らない」


 黒尾に連れ帰られそうになった研磨が、私の後ろに回りこんで言った。ギュ、と唇を結んで、小さく肩を震わせている。

/ 254ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp