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(R18) Moulin Rouge (HQ)

第10章 xxx 09.彼氏(仮)



「もう援交なんてしちゃ駄目だよ」

 黒尾とは大違いの優しいお巡りさん。
 小柄な体格のせいなのか、彼は制帽のサイズが合ってなくてブカブカだ。顔もすごく小さい。

「甘いッスよ、夜久さん! もっとこうビシーッと言ったってください!バシーッとォ!」

「山本うるさい……ビシーッなのか、バシーッなのか、どっちだよ」

 モヒカン警官は山本というらしい。
 ソフトに優しくツッコミをいれてくれた夜久さんに、「ガシーッとです!」と支離滅裂なことを言って困らせている。

 幸いなことにオーナーは外出中だ。
 狭い店内が警官だらけ、という現状は見られずに済んだ。ていうか見られてたら今度こそ埋められてた。

「えっと、研磨くん……今回は黒尾に免じて許してやるけど、本当は犯罪なんだからね。そこはちゃんと理解してるかな」

 夜久さんのゆっくりとしたお説教に、研磨は「……わかってる」と弱々しく頷いてみせる。

「じゃあ、もうやらないって約束してくれるね?」

「……うん」

「よし、いい子だ」

 そう言って立ちあがった夜久さんは、天使のような笑顔を見せて、ガシガシッと研磨の頭を撫でた。なんかうらやましかった。

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