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(R18) Moulin Rouge (HQ)

第10章 xxx 09.彼氏(仮)



「うげっ……黒尾!」

 カウンターに頬杖をついて店番をしていた光太郎は、研磨とほぼ同じ反応を見せてそう言った。

「黒尾サン、だろうが。ブタ箱にブチ込まれてえかクソガキ」

 口、悪っ……!
 ちょっと信じられないという顔で隣を見上げると、光太郎よりも高いところから睨みつけられる。

 着崩した制服にゴツい数珠のブレスレット。これが警官だなんて世も末だ。よく採用試験受かったな。

「あ? 何見てんだよ」

「……べっ、別に見てないし」

 サッと目を逸らして唇を尖らせた私は、客用の待合ソファに腰かける研磨のほうへ向かった。

「ごめんね……俺のせいで」

 しょげた小動物のように頭を下げる研磨。
 俯いたまつげは長く、ダークブラウンのマスカラが塗られている。かわいい。ってそうじゃなくて。

 研磨はいわゆる女装男子らしく、オヤジ相手の援助交際を繰り返していたんだそうだ。

 しかも、援交相手を薬で眠らせてる間に、金だけ抜きとって帰るという気合いの入りよう。

 警察に目をつけられるのも当然といえば、当然である。ちなみにこの不良警官とは幼馴染なんだとか。

「ううん、いいよ。大変だったね」

 言いながら研磨の隣に腰をおろす。
 すると、黒尾と同じく制服警官の二人が、私たちの対面に腰かけた。

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