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(R18) Moulin Rouge (HQ)

第12章 xxx 11.幽閉



 後悔さきに立たず、だ。


「ほら、早くちょうだいよ」


 赤葦さんの口が、唇が、なんともセクシーな半開きで私を誘っている。もとい。フルーツを誘っている。なんつうエロさだ。私はもはや彼に食べられるフルーツになりたい。

 心臓はまるで早鐘のよう。
 限界まで速度をあげた血流が身体中をめぐって、目眩がする。

 なぜアーンさせてください、なんて言っちゃったんだろう。せめて肩揉みさせてください、とかにしとけば良かった。

 いやそれはそれでエロいうなじが拝め……って、おかしな妄想はいい加減やめるとして。

「しっ、失礼します……!!!」

 意を決した。

 プラスチック製のピックに黄金色のパインを刺し、彼の、赤葦さんの綺麗なお口に侵入を試みる。

 薄紅色の唇に果汁が垂れた。
 つう、と彼の頤(おとがい)を流れる無色透明の液体。意外と肉厚のリップに包みこまれていく実の部分。


「………ん、甘」


 漏れるのは切なげな声。

 甘いものが得意ではないのだろうか。ちょっと不機嫌そうに眉根を寄せて、彼は親指で果汁を拭ってみせる。

 ふいに赤葦さんの手が伸びてきて、そのまま、口内に親指を押しこまれた。

「ん……な、に、んんっ」

「お前にも味見させてあげる」

 ぬるり、塗りつけられる。
 口腔を犯すパインの香り。

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