• テキストサイズ

(R18) Moulin Rouge (HQ)

第12章 xxx 11.幽閉



「ゲームしようか」

 赤葦さんの口からそんな言葉が出たのは、それから間もなくしてのことだった。

 彼にしては突拍子もない提案。
 元より掴みどころのない人だと思ってはいたけど、ますます、何を考えているやら分からない。

「ゲーム、ですか?」

「簡単なコイン遊びだよ」

 おもむろにコインを数枚取り出して、彼は、空いたグラスにお酒を注いでいく。

 淵いっぱいに注がれたそれ。
 今にも溢れてしまいそうなグラスを床に置いて、赤葦さんは淡々と言葉を足していった。

「交互に一枚ずつコインを沈めて、先に溢れさせたほうが、負け。勝ったほうの言うことを聞かなきゃいけないのが、罰ゲーム」

「コインドロップかあ……私、これ弱」

「まずはカオリからね。はい」

 ふ、え!?
 私まだやるともなんとも言ってな……んんんめっちゃ見つめられてるんん。これはあれか。あれだ。やらないとヤラれるやつだ。ていうかコインを頬に押しつけないでください痛い!

「……やらさせていただきます」

 赤葦さんの氷点下よりも冷たい視線に観念して、私は、泣く泣くコインを受け取るのだった。

 先が思いやられる気しかしない。

/ 254ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp