第2章 2 クラスメイト
『はぁー…緊張で足が震えてる…』
自己紹介が終わると、硬い表情で教壇から席に戻る桜花と目があった。
俺は先ほどと何ら変わらない、頬杖をつきながらシャーペンを鼻の下に挟んだ体制で親指を立てると、桜花がみんなに見えないように笑顔でピースしてきた。
そんなやりとりをしながら、俺、沖田総悟はクラスメイトのヒソヒソ声はバッチリ聞いていた。
『あの子じゃね?西中の噂の美人、桜花ちゃん!かわええ〜!』
『何なのあのスタイル!?胸でかくね?Dくらいあんじゃね!?』
『うおー!彼女にしてあんなことやこんなことしてぇ!てかされてぇ!』
総『やれやれ、こっから3年間、桜花をこの獣見てーな輩から守りきれんのかねぇ』
先「うぉーい沖田!自己紹介頼むー!」
先生に呼ばれ、唇の上に乗せていたシャーペンを置き、少し不機嫌そうな様子で教壇に上がる総悟を、何も知らない桜花は見ていた。
『総悟…?機嫌悪い…??』
教壇にたつとさっきとは打って変わり、不機嫌そうな表情からにこやかで爽やかな表情に変わる。
「沖田総悟です。桜花さんと同じ西中です。入学の動機は桜花さんと同じ、近めの高校っだったんで。ちなみに桜花さんとは親友です。それから…よく男子にサド王子って呼ばれてました。理由は…よくわからないんですがねィ…?」
総悟の無言の圧力を男子一同は感じた。
「桜花に手を出すな。出したらどーなるかわかってんだろーなァ?」
爽やかな笑顔に隠された総悟の無言の圧力は、男子には威力的面だった。
『おい、あいつ桜花ちゃんの守護神こま犬の沖田じゃね!?』
『顔は童顔でイケメン、かわいい顔しといて桜花ちゃんに手を出そうとしたやつは片っ端からやられてんだろ?ドSな手法で』
『見た目とは打って変わって狂犬、こま犬の沖田か…とんでもねーのとクラスメイトになっちまったァアア!これじゃ桜花ちゃんにも話しかけられねぇ!」
ヒソヒソと男子たちが何か話してる。それよりも桜花は、女子の黄色い悲鳴が気になった。