第6章 キモチ
桜『私昨日から重症過ぎだよ!銀ちゃんたちにいままでドキドキなんてしたことないのに…』
桜花は心の中で呟くと、自分の両頬を手でパンパンと叩く。兄弟同然の銀時たちに、まさか自分がここまでドキドキすることになろうとは思ってもみなかった。
銀「…。なにしてんの桜花」
銀時が呆れた声で話しかける。
桜「銀ちゃん!早く朝食食べないと遅刻しちゃうよ!」
一部始終を銀時に見られていた、と気づいた桜花は銀時を急かすように部屋の中に入れる。その様子を少し面白くなさそうに、頬杖をつきながら高杉はみていた。
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銀「おい、俺の朝食は?」
晋「なんでてめーの分まで作んなきゃねーんだよ。てめーで作れ。」
銀「何これ嫌がらせ!?ドア、ベランダに鍵かけられて時間とらされた挙句、朝食抜きってお前。男子高校生運動部なめんなよ。死ねるぜこりゃ」
銀時は冷蔵庫からイチゴ牛乳を出すと、自分で朝食を作り始めた。銀時の朝食はパンケーキ。甘党の彼にとってぴったりの朝食だ。
器用な二人、炊事洗濯も完璧。運動もできて勉強もできる。ただ、銀時は勉強にあまりやる気が無く、いつも平均点並みだった。やればできる子なのに。総悟もどこか二人と似通ったところがあった。
桜「ああああ!!!!!」
銀「あああああ!!!!びっくりした!!!!なんだよ桜花!!!」
銀時は突然叫び出した桜花に驚き、口に運ぼうとしていたパンケーキをフォークごと落とす。
桜「ごめん銀ちゃん晋くん!私今日先行くからご飯自分たちの部屋で食べてくれない!?着替えしたいし!!」
銀晋「は!!??」
桜花は忘れていた。今日の朝総悟と一緒に登校することを。
銀時と晋助は悟った。あいつに会うんだろうということを。
銀「そうかよ。そんじゃしゃーねーな。自分の部屋にかえっか。また学校でな」
晋「俺も戻る。じゃあな桜花」
今日の二人は物分りがいい。一緒に登校できないだけでかなり面倒くさいことになるのに。
桜「二人ともなんだかんだ大人になったんだなー」
そう思いながらベランダを見つめる。だが男二人は大人になどなっていなかった。
銀晋「絶対邪魔してやる!!!!」
怪しく笑う二人を、桜花が知る由もなかった。