第1章 初登校
こんなやりとり今まで何度かした。口は悪いが総悟は優しい。総悟が転校してきて私達はすぐに仲良くなった。銀ちゃんや晋くんが高校入学で隣からいなくなって、寂しいだの、つまんないだの、私の愚痴を聞いてくれてたのは総悟だった。神楽ちゃんのことを聞くと、そんな風に突き放した言い方するけど実は好きだってわかってた。だって何を話してるかわからないけど、神楽ちゃんと話してる時の総悟は恋した少年の顔をしている。バレバレだったのだ。
いつか恋愛相談してくれるのを待とう。それが今まで自分の愚痴を聞いてくれていた総悟に対しての恩返し…ブツブツ言いつづけている総悟の背中を見つめながら、桜花はクスリと笑った。