第6章 キモチ
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桜「晋くん、銀ちゃんおそいね」
顔を洗い終えた桜花が、朝食の乗ったテーブルに着くと、いつもこの時間にはいるはずの銀時の姿がないことに心配する。
晋「桜花はホットミルクか?朝の弱えーあいつのことなんざ、いまさら心配することねーだろ」
桜「んー…まぁそうだけど。寝坊してなきゃいいね。」
晋「……………。」
少し沈黙を置くと、晋助は、ホットミルクを片手に持ち、キッチンから居間に移動する。いただきます、と言いながらスープに手をつける桜花に目を向け問い出す。
晋「昨日、お前なんかあったのか」
ホットミルクを桜花の寄りにテーブルに置くと桜花の目を見ながらそれとなく聞いて見る。
桜「………!!???な、なんで?晋くん。」
少しためらうようなそぶりを見せると晋助は目をそらしながら答えた。
晋「…銀時に対して随分ぎこちねー態度だったじゃねぇか。それに聞いたぜ?マンションの前に沖田総悟が立っていたとか…何があったんだ?」
桜「………」
桜花はホットミルクを両手で持ったまま俯いてしまう。その様子を横目に見ていた晋助は桜花を気遣って口を開く。
晋「……お前が話したくねーってんなら、なんも聞かねーよ。ただ、俺ァ桜花のこと心底心配してんのさ。慣れねぇ生活でいろいろあんだろーが、困ったら俺を頼れよ」
そう晋助は言うと、少し微笑みコーヒーに口をつける。
「俺を頼れ」
この言葉は桜花に対して過保護な銀時と晋助の口癖だった。桜花はそんな晋助の姿を見ると、少し安心したように話す。
桜「…もー…!いつまでも子供じゃないんだから!…でもありがとう。心配してくれて…。あ、あのねっ…昨日の銀ちゃんに対しての態度は、私も反省してるよ。銀ちゃんは何もしてないのに…変な夢見ちゃっただけ!今日はもう大丈夫!」
晋「変な夢?」
桜「うん。内容は聞かないで!総悟は、ちょっと言い合いになっちゃっただけだよ。だから何も心配しないでね、晋くん」
そう言って桜花は晋助が焼いてくれたパンに口をつけると、にっこり笑った。
桜『なんか、晋くんに余計な心配かけちゃったな』
そう思いながら晋助が作ってくれたおかずに手をつけ、おいしい朝食を堪能する桜花。